トルデジアン レポート #12 4th stage Tor des Geants
トルデジアン レポート #12 4th stage
DONNAS〜GRESSONEYSAINTJEAN (51.6km)
タイムチャートはこんな感じで。
一見2nd stageに比べれば大したことないようにみえるが、全ステージ中で、一番長い行動時間を計画していた。
ハエの目障りな音と、寝汗で目を覚ます。
標高も低いため、昼間は暑い。(夜は知らないが・・・)
マッサージは相変わらずの大繁盛。
時間がかかりそうなので、さすがに諦めることにした。
右足のマメの状態が良くないので、治療してもらおうと並ぶ。
こちらも大繁盛。
順番待ちをし、やっと私の番が回ってくる。
相手はスタイルの良いパツキン美女だ・・・
胸元がパックリのシャツに白衣・・・
まずは治療に専念!
慣れない英語とジェスチャーで必死に伝えるが、「マメはゼッケンの安全ピンと消毒液を勝手に使ってセルフでやりな」と一蹴・・・
ばななさんのブログでは「マメの修理をしてもらった(ニッコリ笑顔)」となっていたのに・・・
いかがわしい視線が伝わったのだろうか・・・
ツンデレ女医に見捨てられた私は、出発の準備をするため食事をした場所へ戻る。
そこで気づいたことがひとつ!
IさんもEくんもいない・・・
荷物は跡形もなくなっていた。
少し取り残された感の中準備を進めていると、Col Losonでご一緒した方とお会いする。
20時頃からまた天候が悪化するという情報をいただく。
明け方3rd stageで見惚れた朝陽・・・
あの時感じた直感は現実となる。
15時39分とりあえず先を急ぐことにした。20時まで残り約4時間・・・
【Donnas〜Tour d'Hereraz】
Donnasを出発するとロードを進む。
ロードをしばらく登ると、果樹園みたいなエリアを少し下り、またロードを下る。
予報がズレ込み、ここから雨が降り出す。
木陰でレインを着込む。
PontSaintMartinの街に着く。
今までの街と違い、都会的な街だ。
今までの街は、村と表現した方が良いのかもしれない。
行き交う人達もファショナブルで、店も洒落た店が立ち並ぶ。
これは海外も日本も変わらないが、山から街に出ると、周りの視線が冷たい・・・
確かに平日の夕方から、ドロドロのオッさんが、ヒィ〜ヒィ〜鼻水垂らし近寄って来ても、ただただ気持ち悪いだけだ。
チャオ!チャオ!と声をかけるが、もちろん返答もないし、拍手も応援もなかった・・・
ただのオッさんのナンパでしかなかったのだ・・・
そんな荒んだ心をした私に、拍手と黄色い声援が・・・
PontSaintMartinエイドだ!
温かい気持ちだけいただき通過・・・
立ち寄らなくて申し訳ない。
ステキな街並みを抜け、山の取り付きへ。
路地裏から果樹園の間を抜けていく。
ブルーベリーっぽいのが実っていたので摘んでみようと思ったが、正義感がそれをさせない。
困ったタイプだ。
たまに果樹園の主がトラクターみたいなので通り過ぎるが、モノ凄いスピードなので、気を抜いていると轢かれるので注意要。
コースは低山であるが傾斜はキツイ。
低山で樹林帯の中なので眺望は良くない。
500m程上がっただろうか、ピークからも結構な傾斜の下りで膝に悪い。
舗装路に出ればPARLOZのエイドは近い。
石畳を抜ければPARLOZ!
お気づきかもしれないが、国旗にひとつも日本国旗がない・・・
イタリア、フランス、スペイン、次いで参加者が多い日本。
しかし国旗がない!
わけわからん国旗はあるが、日本の国旗かないのであります。
そうこうしてるとPARLOZエイド到着。
地図を見ていると、ボス的オッちゃんが話しかけてきた。
オッちゃんは高低表(デッカいのが現地にある)を指差しながら語りだす。
PARLOZを指差し、「Courmayeur〜PARLOZ、PARLOZ〜Courmayeur・・・
ここPARLOZがコースの中間だ」的な感じで語る。わかっていたが、一応驚いてみる。
わかったから日本の国旗を掲げなさい!と、言ってやりたくなったが、グッと我慢・・・
そう我慢の連続なのであります。
パン、ハム、フルーツ、コーヒーをいただき出発。
やはり標高が低いためハエが多く、食べ物にハエがたかっている。
デッカいカウベルで見送られながら出発
小さいエイドであったが、コース上で好きなエイドのひとつであった。
それだけに日本の国旗を掲げて欲しいところである。
PARLOZエイドを出ると、舗装路からトレイルへ。
下ったところがTour d'Hererazだと思う・・・
犬やらニワトリがいて吠えられた記憶はあるが地名はあやふやだ・・・
ネコの応援を受けたニャ〜
【Tour d'Hereraz〜Sassa】
Tour d'Hererazはエイドではなく、たぶん街の地名。
交通量の多い道路を通り、脇道にそれて、民家の間を抜けトレイルへ。
振り返ると先ほどの山が見渡せる。
聞いてた通り、今通ってきた山に雨雲が立ち込めている。
早めにDonnasを出てよかった。
Sassaへ向け直登する。
この山の傾斜はハンパない。
舗装路の脇にトレイルコースがあり、その舗装路がかなり九十九折を繰り返していた。
ハッキリとは言えないが、舗装路の状況を見ても、傾斜がスゴイのだとわかった。
何度も何度も立ち止まり足をマッサージする。
この辺は抜きつ抜かれつつの状況だ。
周りも同じようにストレッチしながら進んでいた。
途中、教会っぽい建物の前でヘッデンを準備。
ここで少し祈るのであった。
「レース3日経てど、大きい方が出てません・・・神のご加護を・・・」
結局レース中一度も出ることはなかった・・・
天罰だろうか・・・
20時23分
Sassa(161.31km/1305m)エイド到着。
想定時間より1時間近く早く着いたため、気持ち的に余裕が出てきた。
立派な小屋があるため、てっきり屋内に入れると思いきや、屋外のテントで食事する。
寒いのでコーヒーをいただく。
ハムをパンに挟んで食べる。うまいが相変わらずパンがパサついていて残す。
15分ぐらいマッタリしていただろうか、お腹も満たされ先を急ぐことにした。
【Sassa〜Rif.Coda】
Sassaを出発し、しばらくすると霧が出てきて、マーキングのフラッグが見えない。
足元は草原って感じであるが水浸し。
どこを踏んでも水たまり。
そういやそんな話を、DonnasライフベースでEくんと話していたのを思い出す・・・
「聞いた話ですが、6th stageの山の上がずっと水浸しらしいですよ〜あれ!?4th stageだったかなぁ〜」
Eくん4th stageだったよ・・・
草原トレイルから、ゴロゴロ岩のトレイルになる。
霧で見えないが、左側を覗き込むと明らかに断崖絶壁だ。
踏み外したらヤバいと直感でわかった。(後々聞いたらそこは本当に切り立った場所でヤバいみたい)
視界は更に悪くなる。
乱反射する霧の中、普通にコースマーキングを探すのは困難。
立ち止まり首を左右に振って全体を見渡す。
他の選手達のライトが乱反射して見ずらい。
わずかに反射するマーキングを曲がるたびに見つけ進む。
Rif.Codaに近づくが一向に小屋が見えない・・・
高度計を見ても近いはず。
霧に囲まれ、まさしく先の見えない状況。
小高い山を登る・・・
見えた!
この小高い山に隠れて見えなかった。
そこから少し下って登り返したところがRif.Coda。
23時過ぎRif.Coda到着。
これ以上進むのは危険と判断。
霧が晴れるまで、山小屋に待機することとした。
全身ズブ濡れ・・・
暖炉があったので、シューズとソックスを乾かす。
食事は取る気分でなく、ただただテーブルに座り目を閉じ、天候の回復を待った。
周りがうるさすぎるので耳栓を付ける。
しかし、嫌がらせなのか、山小屋のオッさんがテーブルをコツコツ叩きつける。その振動が伝わり眠れない・・・
何か食事を頼め!タダじゃ寝かせないぜ!ということか・・・
1時間後、無情にもセットしたアラームが鳴る・・・
結局寝ることはできなかった。アラームを止め、外を見るが天候は変わらない。というより悪くなってる気がする。
もう少し待つことにした。
このまま何をする訳でもなく、ただただ当てもなく待つのか、ゆっくりでも前へ進むべきなのか判断に迷っていた・・・
しばらくすると小屋にNさんが入ってきた。
Rif.Codaまでの話を聞くと、ホワイトアウトして、何も見えなかったようだ。
たぶん私が登ってきた時よりも状況が悪くなっているように感じた。
するとNさんが仮眠室から起きてきたRWSのIさんに気づき、3人で話をすることに。
唐突にIさんが口を開く・・・
「このトルデジアンというレースは素晴らしいレースだ・・・景色も素晴らしいし、スタッフ達の対応も素晴らしい・・・でも生命あってのものだ・・・無事帰ることが大事だと思う。」
Nさんも続く
「そうよね・・・」
私もうなずく・・・
この状況で先へ進むことが、どれだけ危険なのか、多くは語らずとも皆わかっていた・・・
行くか行くまいか悩んでいたが、ここで2時間仮眠をとることにした。
スタッフに寝たい旨を伝え、空きベッドへ案内してもらう。
2段ベッドが2つあり、下の段で寝させてもらう。
綺麗な部屋で寝心地が良く、気づいた時にはスタッフに起こされていた。
あっという間の2時間。
相当深い眠りについたのか、頭はスッキリしていた。
出発準備していると、Kさん達数名の日本人ランナーが山小屋へ到着。
Kさんと話をするが、やはり天候はよろしくない。
更に山小屋に待機する。
Nさんは空きベッドがあるらしく、更にもう2時間寝たようである。
何をするわけでもなく、ジッと待つことほど苦痛なことはない。
更に1時間ほど過ぎた時、ある会話を耳にする。
「夜景きれいだったよね〜」
その話を聞いていると、Coda小屋に来る途中で、下の夜景がキレイに見えたという話だ。
なんとなく直感が・・・Coda小屋に来る途中、下から湧いてきた霧が、風で山にぶち当たってる光景を目の当たりにしたからだ。
「もしかしたら下は霧が晴れているのではないか」
Coda小屋に到着から約5時間・・・これ以上のタイムロスは無理だ・・・この直感に賭けてみよう。
さすがにこの定かではない直感に他人を巻き込むつもりはなかったので、1人で出発することとした。
【Rif.Coda〜Col Marmontana】
Coda小屋を出るとすごい霧と強風・・・身体がよろけるぐらいであった。
勢いよく出たものの、やっぱり危険かもと思い直し、小屋へ引き返すことにした・・・
それを見たスタッフが、コースがわからないのだと勘違いしたのか、左側だと案内してくれた。
もう後戻りはできない・・・(この後、大会側の判断で、1人でCoda小屋を出発することは危険と判断、2人以上のパックでないと小屋を出てはいけないこととなった・・・)
1人飛び出したものの不安いっぱい。
しかし、ここを踏ん張らないとゴールは見えてこない。
何しにここイタリアに来たんだ!と自分に喝を入れる。
その時あのフレーズが・・・
「意志のあるところに道は開ける」
完走への強い意志を奮い立たせるのであった。
ゆっくりでもいいので確実にマーキングを探す。
こんな状況の中、先行するライトにくっ付いて行くことは、ロストの原因となるので危険で
ある。
マーキングフラッグを見つけ、ストックでタッチしながら地道に高度を下げていく。
すると思った通り霧ははれてきた。
振り返ると上の方は見えないぐらい霧に包まれていた。
しばらく下ったろうか、後ろを振り向くと女性の声が・・・
「日本の方ですか〜?」
日本語?女子?
Mさんだ。
この状況の中、女性ソロでCoda小屋を出てきたみたいだ。
2人でパックになって進む。
トルデジアンにエントリーした経緯や、レース中のことなんかを話しながら進むが、とりあえず元気な女性で話がとまらない。
そんなMさんから「関門時間が全体的に3時間延びたみたいですよ〜♪」なんて情報を聞く。
少し喜んだが、このあやふやな情報を鵜呑みにするのは危険だと思い、もともと計画したタイムチャート通りに進むことにした。
パックであると気持ち的に安心する。
2人で一気に下るとエイドが。施設エイドだ。そこで飲んだオレンジジュースが最高に美味しかった。新鮮なプルーンも頬張り、次の山を目指す。
登りも話しながら進み、あっという間にピークを超える。
少し下るとテントが見えてきた!
Lago Vargnoエイド到着。(172.25km/1686m)
ここで食事(パンとハム、フルーツ)とコーヒーで暖をとる。
少しずつ夜が明けてくる。
少し長居したかったので、Mさんに先に行ってもらうことにした。
ここからCol Marmontanaまで660mアップ。
おんたけを思い出させるガレた林道を進む。
霧で周りは見えない。
林道をひたすら進む。途中で草原を通るが、足元にはウンチが多し。注意だ。
Col Marmontana(176.04km/2350m)に到着。
霧で全く何も見えず・・・
写真だけ撮りすぐに下る。
【Col Marmontana〜Niel】
Col Marmontanaからゴロゴロした大きな岩を下っていく。
しばらくすると水場にテントが見えてくる。
見えてからも先は長い・・・
見えてたテントはLago Ciaro(177.1km/2096m)。
ここで先行するMさんと再会。
足がやられていてマッサージをしていたみたいだ。
風が強く、テント中まで吹きつける風が入り、かなり寒い。
焚き火で暖をとるが、煙がすごく、私のレインウエアも燻された。
その後ずっとレインがクサかった・・・
時間帯にもよるのか、運が良ければ焚き火の上で肉を焼いているらしい。
私は食べれなかったが、KさんやSさんは見かけたみたいだ。
鍋で煮立ててる中身はこのスープ。
身体が冷え切っていたため、かなり美味しいかった。
辺りを物色すると・・・
こんなところに隠れているじゃないですか・・・
ワインを頂く・・・ハム、サラミとワインの相性はサイコー!!
おかわりを2杯ほど頂くことに。
ちょっとほろ酔いになったところで出発!
Lago Ciaroエイドを出ると、足元はガレガレの岩場。
少し下って、一気に急登に入る。
九十九折の登り。
外人達もヘロヘロ・・・
「Are you OK?」と聞かれ「OK!!」と答えると、「I'm No OK・・・」みたいなやり取りをする。
この辺りから、周りの選手同士で「a Courmayeur!」と言葉を交わし合う。
「クールマイユールで!」という、ゴールで再び会おう!みたいなことらしい。
選手はライバルではなく、共にゴールを目指す仲間なのである。
Crena du Lay(178.81km/2311m)に到着。
天気が良ければ絶景なのだろうなぁ〜
Crena du Layから一気に急な下りになる。
ゴロゴロ岩場のアップダウンが続く。
足元が濡れていて滑りやすいのに加え、足裏の肉刺しに岩の角が当たり、歯を食いしばりな
がら進んでいく。
Col della Vecchia(181.03km/2184m)エイド上空に、緊急のヘリが何度も着陸にアタックしている。
天候が悪いせいか、着陸できず飛び立っていってしまった・・・
Col della Vecchiaエイドではコーヒーだけいただきすぐに出発した。
寒すぎて身体を動かしてないといられないというのが本音だ。
しばらく進むと、目の前のガレガレの岩場に線がみえる・・・
コースだ!
途中壁面に文字が彫られていた。
開け〜〜〜ゴマ!!っと唱えたい気分にはなれなかった・・・
しばらくするとやっと村が見えてきた・・・Nielか?
ここの下りで相当足をやられた・・・が、ここから更に150mほど登り返すことになる。
村が見えた安堵感から、その登り返しを高低表から読み取れず、村まで下るものだと思い込み、しばらく登り返していくコースに心折れそうになった・・・
※余談になるが、先行する男女2人の女性のストックがこの時壊れた。壊れたことに腹を立てた女性が、ここでストックを投げ捨てて走り去っていった。日本であれば大問題だろうが、お国柄の違いなのだろうか、特に悪そびれることはなかった。
睡魔と足裏の激痛でウトウトしてきた。
Nielへの最後の下りはドロドロ・・・
ツルツルな路面に嫌気がさしていた・・・
超長距離レースになると、心が不安定になるのか、どうにでもなれ!となげやりにもなっていた。
そんな時、後方から「もうすぐエイドだよ!!」って声が耳に入る。
Hさんだ。
まだまだ元気そうだ。負けてられないと必死に背中を追う。
石造りの建物を抜け、Niel(186.7km/1573m)に到着。
頭がボーっとしていたのか、石畳の道を彷徨ってコースを外れていってしまった。
たまたま応援で来られてた方(地元の人)に呼び止められ助かった。
建物の周りをグルッと回り込む感じでエイドに入っていく。
エイドは外にテントがあり、他のエイドと似たような食事ができるが、建物の中でも食事が
できる。
私は中で食事をしなかったが、中で頼める食事はメッチャ美味しいみたい。
後々聞いて後悔した。
ここから第4ライフベースまでは残りひと山越えるだけ。
軽く食事を取り進もうとしたが、どうもマメの状態がよろしくない・・・
歩く度に激痛が走り、まともに歩くことすら出来ない。
この足でこのまま進んでも逆に時間がかかるのでは?と考え、思い切って睡眠と足裏を乾かそうと決断。
スタッフへ2時間寝させて欲しいと伝える。
イカしたナイスガイが「ついて来なよ!」的な感じで案内してくれる。
仮に私が女性であれば惚れそうであった・・・案内された場所は少し離れたテント・・・
テントは2張りあり、中はベッドが4つあった。
ベッドは湿り気たっぷりで冷たかった。
さすがに寒いのでレインを着たまま寝る。
あっという間に爆睡。
途中1名男性が来たため、起こされてしまうが、すぐ寝ることができた。
1時間30分ぐらいだったであろうか、寒くて起きる。足裏も乾いていた為、スタッフが起こしに来る前に準備し、エイドがあった場所へ戻る。
スタッフに出発することを伝えNielを後にする。(レース後、自分の通過時間を確認するも、なぜかNielのチェックポイントを通過した記録がない)
【Niel〜Col Lasoney】
Col Lasoneyまでは約3.5kmで830mアップ。
石畳の道を進むとすぐにヤギ?達に足止めされる。
ペーター!ペーターはどこじゃい。あのボウズ、どこかで油売りおってからに・・・そうつぶやいたのは言うまでもない・・・
ペーターは現れなかったが、しばらくすると先へ進むことができた。
しばらくすると、また雨が降り始める。
さらに霧が出てきて昨夜の悪夢が蘇る。
Col Lasoney(190.18km/2400m)到着。
雨足と霧が激しさを増してくる・・・
ここからしばらく平らな草原を進むが、霧でマーキングが見つけづらい。
併せて、トレースがないので、岩に描かれたトレッキングコースのマーキングと見誤り、何度かロストすることに・・・
やっとトレースがでてきた。
晴れていれば絶景なのだろう・・・
コースは見当たらないが、山の間に見える谷を抜けていく。
この辺りから牛達のカウベルの音が聞こえてきたり、建物が増え、生活感を感じる。
牛が食べてしまったマーキングの残がい・・・
Loo(193.70km/2364m)到着。
水場にデカいカウベルが!
写真には押さえられなかったが、杵みたいなモノを、グルグルまわすとガラガラと音が出るアイテムが気に入った。
可愛い女性スタッフが、選手が来るたびにグルグル回す姿がやけに可愛かった。
このエイドは食べ物が充実していた。
次から次へとサラミとチーズがでてくる。
女性から、パンにチーズとサラミを挟み食べるのよ的なアドバイスを受ける。
もちろんワインも3杯ほど頂いた。
ホロ酔いになったついでにサインを。
生意気にも中央に書き込んでみた。
結構長居してしまったが、ライフベースまで残すこと約7kmの旅路へ再出発。
石を積んだ間を抜けていく。この辺の雰囲気はとても良く、気持ち良く走れた。
しばらく進むと廃墟が・・・
昔はここも栄えていたのだろう。
そこに咲く花がなんとなく目に止まる。
この家に家族がいて、笑ったり泣いたり・・・
子供が大人になり、親となり更に子供が生まれて・・・
この花はずっとそんな家族を見守ってきたのだろうか・・・
たぶん疲労で気持ちが弱ってきていたのだろうか・・・
見慣れた廃墟にそんな感情を持ってしまった。
普段花なんか写真を撮ったりしないのに・・・
レース中この1枚だけが記録されていた。
センチメンタルな気持ちを奮いたたせ先を急ぐ。
こんな岩場を延々下っていく・・・
雨で濡れていてスリッピーなうえ、足裏のマメが限界だ・・・
岩の角がソール越しにマメの部分がヒット。
着地ポイントをいろいろ工夫しながら紛らわす。
最後の激下りをぬけると、石畳に出てきた。
この街をぬけるとライフベースまで約2km。
舗装路を進む。
道路の両サイドにはロッジやレストランなんかがあり、楽しそうに語らうカップルや、家族でバーベキューする光景を目にする。
通り過ぎる車は、クラクションを鳴らしたり、窓を開け応援してくれる。
応援に応えながらライフベースを目指す。
ゲートが見えてきた!
少年が前から走ってくる。
どうやらゼッケン番号を確認して、無線を持った大人に伝えに戻る役割のお手伝いをしているみたいだ。
GRESSONEYSAINTJEAN(200.28km/1329m)到着。
GRESSONEYSAINTJEAN到着想定時間は14:00。
現在の時間は20:44。
7時間近く想定より遅れている。
23:00関門、01:00にはライフベースを出ないといけない。
ここで5時間の休憩(うち4時間仮眠)を計画していただけに、かなり切り詰めなければならないと考えていた。
※Mさんが言ってられたように関門時間が3時間延びたようだ。ライフベースとなる体育館?のような施設に入る。
そこで腕に付けたリストバンドで記録して頂き、デポバッグを取りに行こうとする。
するとスタッフの女性に呼び止められる・・・
「You are English?」と言われる。
「I like Sushi!」的な感じであったが、そこは「Yes!」と答えた。
すると女性がスラスラ英語で話をしてくる。
何言ってるか正直わからなかった。聞き取れたのが「Race Stop」と「Wait here」、「Tornado coming」と言葉ぐらい。
えっ?えっ?ってなった・・・
とりあえずトルネードが来てるから、レースが中断していることは理解できた。
内心2nd stage同様、暫く経てばレースが再開されると思っていた。
そう、この時は・・・
とりあえずデポバッグを預かり、食事と5th stageに向けての準備をするため会場の奥に進む。
すると多くの日本人が集まっていた。
どうもNielで寝てる間に、後続にいた日本人達に抜かれていたみたいであった。
「竜巻でレースが中断してるみたいですよ〜」
「今後の発表があるのが明日の5時みたいですよ〜」と言われる。
状況を飲み込めなかった・・・
暫くすると「今後、後続の選手達がこの会場に流れ込んでくる。そうなれば仮眠室のベットが埋まって、地べたで寝ることになる。そうなる前にベットを確保した方がよい!」とアドバイスを受けた。
私も仮眠室のベットを確保し、食事をすることにした。
さらにデポバッグからファーストエイドキットを取り出し、マメの処置をすることにした。
想像以上に状態は悪く、足も腫れあがっていた。
5時までなら6時間近く寝れる。
せっかくの中断。これを利用しない手はない!
シャワーをやめ、すぐ寝ることにした。
空調の利いた暖かい部屋で、毛布に包まり寝ることにした。
レースが再開した時、遅れている時間を取り戻すべく、疲労をできる限り取り除くために、下半身にコールドシートをありったけ貼り付け、ラーさんの回復サプリを飲み込み、眠りにつくのであった・・・
4th stage
距離 51.6km
所要時間 29時間05分 LB滞在時間 10時間以上
前回の3rd stage編はこちら
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