2014年08月05日
北アルプストレーニングに行ってきた(槍ヶ岳)
岩のにおいがした。
岩の表面にこびりつくように生えた苔が水を含んだとき、ふと発するにおいだった。
それは槍の穂が我々を迎えるための歓迎の香煙のように心にしみた。
播隆上人(ばんりゅうしょうにん)が1828年に開山した槍ヶ岳は日本で5番目に高い山
その穂はハシゴがなければクライマーでしか登れない独特の形をした垂直の塊

日本百名山を著した深田久弥は、「一生に一度は富士山に登りたいというのが庶民の願いであるように、いやしくも登山に興味を持ち始めた人で、まず槍ヶ岳の頂上に立ってみたいと願わない者はないだろう。」と書いたのは、あながち間違いでなく、山屋であれば一度は登ってみたい場所、それが槍ヶ岳
今回はUTMB、川場村 山田昇メモリアルカップ(YNMC)のトレーニングを目的とした登り練習でここにやってきた。
当初は、ハイカーの少ない別エリアを検討してたけど、最終的に関東、関西からアクセスの良い穂高エリアとした。
といっても上高地から槍ヶ岳にあがるルートはハイカーさんらが多く、接触機会も増えることから、今回は比較的ペースを維持できそうな新穂高温泉から登ってみることにした。
とりあえず、右俣林道〜槍平小屋〜飛騨乗越〜槍ヶ岳山荘まで突っ込んで、時間、天候を見て、西鎌尾根〜双六小屋〜弓折岳〜鏡平山荘〜左俣林道で下山することを考慮して進む。行動時間は約12時間と試算。最悪でも左俣林道にまでにはヘッデンなしで下山できるようにタイムを気にしながら進むことに。
スタートは少し遅めの6:30
新穂高温泉の駐車場からスタートしようとすると、南信州HIKER'S+のナオ君とシン君とばったり出会う。
行き先は、周りで非常に盛り上がってる双六小屋方面だということなので、うまく行けば夕方に再会できるかもと思いながらエールを送って分かれる。
序盤の右俣林道はOSJのおんたけ100kmのようながコースが1時間程続く。
途中から石の多いトレイルとなるが、槍平小屋までは淡々と登る。
このルートは上高地、東鎌尾根、西鎌尾根とは違い、槍ヶ岳山荘に到着するまで、まったく槍の穂先が見えないちょっとだけ残念なルート。
ただ、後半も比較的登りやすい斜度でかつ、登り一辺倒なのでトレーニングには最適かと。
休憩しながら、遊びながらで4.5時間で槍ヶ岳山荘に到着
この時に空は、好天となり山頂は絶景!

穂先へのルートは渋滞しているように見えなかったので行くことにしたが・・・実際は下りてくるまで1時間もかかった。
天気が良いので、槍ヶ岳山荘でカップ麺を購入してまったりする。

小屋で確認したこの日の天候は午後から一部で雨と雷。
先の双六岳までの稜線を走ろうとしたが、穂先の渋滞とカップ麺休憩で時間を費やした結果、西鎌尾根との出合の千丈乗越で真っ黒な雨雲の中に入ってしまう。
防寒具、雨具は持っているとはいえ、トレランスタイル4人で3000m超で天候悪化 は怖いので、断腸の思いで下山を決断。
千丈分岐点まで戻り、来た道を下る。
登りで気づかなかった、下りの単調なトレイルは危なくて走れないし、長くて超飽きた。
下山してからは、近くの中尾キャンプ場へイン。
ここ、温泉がキャンプ場内に沸いてて、無料で大きな露天風呂に入浴できる。
しかも、80度の温泉は使い放題で、ゆで卵や温野菜を簡単に作ることが可能で便利。ボクは夕飯の缶詰を温めましたw

このシステムを知り、次に来る時はタンパク源として、たくさんのゆで卵を食べようと心に決めましたw
ここは色々と制約があってうるさいけど、とても静かで趣のあるキャンプ場ですよ。
そして、翌日、後方にそびえ立つ、あのでっかい山に登るため、少しのアルコールを口に含んで、ボク達は21時頃に就寝したのでしたzzz

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