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Posted by naturum at

2022年08月01日

UTMB2019(回想録)



本記録はUTMB2019年の完走後にSNSにアップした内容を再度書き直したものです。

なお、前回の2016年のレースはボロボロでのゴール。2回目の2019年はその失敗のリベンジのレースでした。

2016年のUTMBはこちら


今回のUTMBは少し前からシャモニーに入って、TDSに出る仲間のサポートをしたので、ヨーロッパの山を事前に楽しめた。
TDSの山はUTMBと異なり、山深くサポートも大変だったけど、ヨーロッパの山々を力強さを感じることができてよかった。

出国前でのUTMB当日の天気は雨予報。今年は雨期間が長かったこともあり、心の中ではコース短縮、最悪は中止かもと最悪の状態も考えてた。
だけど蓋を開けてみると、日を追うごとに好天の予報に変わり、ありがたいことに2016年とともにローマルルート(標準コース)を走れることに。
山の神様、本当にありがとう。

さて、3年前のレースと異なるギアといえば、第一に悪天候でも耐えれるレインウェアにしたこと。
軽量を単に求めるのではなく、重たくてもきちんと保温してくれるものをファイントラックのエバーブレスフォトンをセレクト。
ザックは軽量さに拘らず、ジェル等が出し入れがしやすいザックに変更(ANSWER4 → サロモン ADV SKIN 12 SET)。
その他には、前回、すごくお世話になった擦れ防止のクリーム(今回はプロテクトJ1)で足裏トラブルを予防。
ヘッデンは強力なPetzl NAO+と専用バッテリー(+になってから簡易モードの単4が使用不可、予備バッテリーが重たい)にすることに。

前日までTDSのサポートをしていたこともあり、スタート当日は寝不足MAX状態。
こりゃやばいと思い、寝溜め&スタートまではイヤフォン&アイマスクして徹底的にリラックスモード。
ヒーリングミュージックを聞きながら直前まで深く眠ることにした。

スタート2時間前にデポバックを預け、スタート位置へ集まってくる。
会場には多くのランナーが集結していたものの、まだ、そんなに混雑しておらず。
知り合いのランナーと談笑していると荷物チェック担当者に声をかけられ、10種類程もある全必須装備をチェックさせられた。せっかく綺麗にパッキングしたのになぁ、残念。
明らかに荷物が少ないトップ選手のをチェックしたら、周りで見ている選手の参考にもなるのにね^ ^

しばらくすると大粒の夕立が。ここ数日間のシャモニーでは夕方に降雨があるのが日課。すぐに止むんだろうけど、スタート前に濡れるのも嫌なので、観光センターの建物に逃げ込む。
雨が通り過ぎるとワラワラとスタート位置へ。
できるだけ前の位置に行ってみると、一般ランナーの最前列から三番目にまで行くことができた。
世界中から来た招待選手らは、もう目の前で手が届きそうなところに並んでいる。ちょっと感動。

スタート前にConquest of Paradiseが鳴り響く。また、この地に帰って来れた喜びと、辛く長い旅への不安。そして、前回のボナッティ小屋(Refuge Bonatti)から、すべて歩いてゴールしたリベンジへの強い気持ち。

下れない足で数百人とパッシングされた情けない走りだけはしたくない。なので、今回はすべての区間でペースコントロールをし、気持ちだけで走らないと決めていた。

UTMB2019がスタート
いやはや、当たり前だけど前列付近は有名な選手やITRAポイント上位選手が多い。号砲とともに、マイルレースとは思えないスピードで駆け抜けるランナー達。
ボクからすれば相当のダッシュだ。ついていけば一瞬で心臓がパンクするだろうから、端に寄って邪魔にならないようにスローダウンして走る。
UTMBはクールマイユール(Courmayeur)までは、周辺のランナーは相当のスピードで走る。が、UTMBの完走率はいつも高くないので、テンションだけでは走れないのが大半。
前回からの経験でわかっているので、最初は余裕をもってのんびりと走る。
今回の目標のゴールタイムはサブ40を主体にサブ39としていた。ペース配分を作成するにあたっては、前半は前回の経験値を、全体的にはリザルトから目標となる仲間をピックアップし、自分自身と比較したものをメインとし複数を作成した。
タイム管理は昨年のグザビエのようにリストバンドで作成。先日の北アの2日間で5座アタックの時にも作成し、非常に役立ったので、これを使用することとした。
レース自体は、最初の山のLe Delevretまでの取り付きが3年前と比べて変わったような気もしたが、総じて前回どおりのコースでタイムをキープ。

個人的には
・ピラミッドカルカレ峠(Col des Pyramides Calcaires)もしくはショートカットコースならセイニュー峠(La Seigne)からコンバル湖(Lac Combal)までの下り
・モンテファーブル(Arête du Mont-Favre)からクールマイユール(Courmayeur)までの下り
・グランコルフィレ(Grand Col Frret)からの長い下り
を飛ばさないようにすればいいと思っている。

コンタミン(Contamines)までの予定とのズレは▲1分と序盤は予定どおり。
コンタミンエイドはあらゆる場所でものすごい応援がある。子供たち笑顔でハイタッチしまくる。

今回のエイドでは全て炭酸水で補給。炭酸水の方が口がさっぱりして補給しやすいし、摂取量も少なくできる。日本のレースでも炭酸水出して欲しいなぁ。
給食はフルーツはだけじゃ満腹感が足りないので、エイドにあるOVERSTIM.sのUTMBロゴの入ったバーを今回の主食としていた。これ柔らかくて美味い。

Day1のボスはセイニュー峠(La Signe)。
やっぱり、ここの区間は長いや。周りは真っ暗だし、取り付きはロードだし。退屈、退屈。
そんなにトルクをかけていないのに、この辺りの登りで脚が攣りそうになった。
が、焦るなと自分に言い聞かせる。

ここがUTMBで一番寒いと思う。グランコルフィレ(Grand Col Ferret)は日中に通過になるので、真夜中のセイニュー峠が一番寒さを感じるところだと思う。
このとき、ものすごい強風で山頂で耐えれなくなりグローブをつけた。外国勢は短パン・ノースリーブなのに、ボクはレインを着て、グローブ付き・・・何の違いなんだろといつも思う。

カルカレ峠(Col des Pyramides Calcaires)からコンバル湖(Lac Combl)へは、うっとうしいしいガレたトレイルの長い下り。捻挫しないように慎重に下る。
でも、カルカレ峠の下りから見る夜明けのコンバル湖はやっぱり美しかった。
朝焼けと雲海の景色が前回と今回で2回も見れるなんて幸せ。

コンバル湖のエイドは超寒い。おそらく氷河から流れ出た水が集まっているからだと思う。
ここで、救急車が逆走してきた。こんな山の中まで救急車が来ることがすごいわ。(後に大瀬選手の救護のために手配されたと知った)

モンファーブル(Arete du Mont-Favre)までの登りで急にトイレ(大)がしたくなった。
どこかでキジ打ちするかを考えるも、周辺は低草過ぎて丸見えだし、動画撮影用のヘリは上空を飛んでるし、仕方がないので次のエイドのビエイユ小屋(Col Checrouit MaisonVieille)まで耐えることに・・・笑

ビエイユ小屋はウォーターエイドなのに派手な演出があるところ。
音楽系で応援してくれてて、山中でハープを弾いてる。あのハープってリフトに乗せたのかなぁと運搬が気になった。だってハープはさすがに担げないもんね。
ここからの九十九折の下りを慎重にこなし、待ちに待ったクールマイユール(Courmayeur)に到着。

スタート地点のシャモニーの盛り上がり方と逆でクールマイユールは3年ほど前程じゃなかった。
もしかしてトルデジアン推しだから?

ここからはチームチョキの朋ちゃんがサポートしてくれる。事前に渡した装備やら食料やらを背負ってやってきてくれるのはありがたいし、話し相手になってくれるのが精神的サポートになった。やっぱり待ってくれている人がいるって力も入ります。ほんとに感謝。

ここでは、エイド食ではパワーが出ないので、アルファ米の食事をとってパワーアップ。最近はカレーメシ等がスーパーでも安価に調達できるのでサポートエイドの主食はこれになってる。
Tシャツとソックスを交換、足裏のメンテ等、じっくり時間をかけて後半戦に突入。

クールマイユールからベルトーネ小屋(Refuge Bertone)までは急がない。前回はここで潰れたので、慎重にゆっくり登る。
ベルトーネ小屋への稜線にでるとグランドジョラスがお出迎え。3年ぶりのでっかい山塊に心を打たれて、前に進む。

今までは序章。すべてはここからが本番。ベルトーネ小屋からアルヌーバ(Arnouvaz)までは、視界に入る選手をすべて後ろからドッグファイトを仕掛けてパッシング。
あぁ、気持ちいい‼️シングルトラックで、へばっているランナーの横から、さっと追い抜くのが本当に気持ちいい。今回のリベンジの1つが叶う。

結局、予定どおりにボナッティ小屋からアルヌーバまでのフラット区間を2:24で走破。
ここからは前半一緒に同行していた松本さんが体調不良となったため、ひとり旅に代わる。

この先の課題はグランコルフェレ(Grand Col Ferret)の登りよりも、ラ・フリー(La Fouly)までの下りの制御。
20kmもある連続した下りで、脚を使うのはここじゃないと言い聞かせボチボチ抜かれながら下る。
しかも、ここの細い樹林帯の道は苦手なので、サポートが待ってるシャンペ湖(Champex-Lac)に早く着きたかった。

シャンペ湖への登りの辛さは前回で知っていたので、ここでペース維持のためギアを上げる。
登りに入るとパックから抜け出したフランス二人組が付いてくる。
引き離そうとしたけど、なかなか離れてくれない。多分、一人はゼッケンをつけていないトレイルランナー。
グランコルフェレの登りから一緒の二人組なので勝手ペーサーをしているのだろう。
でも、ペースがいいので目標として追うことに。
結局、シャンペ湖まで引っ張らさせられて、エイドには先に入られた。あぁ、くやしぃー笑

到着したシャンペ湖がまだ明るくて嬉しい。
そんな単純なことだけど、前回よりもエイドの環境が変わっていることが自身の調子の良さが実感できた。
寒いシャンペ湖で何時間もサポートを待たせる非情なことをせずにすんだのもよかった。
ここで温かい雑炊を作ってもらって、サポートと談笑しながらゆっくり過ごした。

ここからが、このレースの本番。ボクのリベンジであるラスト3つの山をMAXの力で進むこと。
特に1つ目のラ・ジエット(La Giete)はピークまで巻きに巻きまくるのがわかっているので折れない気持ちで進む。
落とせるランナーは躊躇わずに抜く。
ここまで来ると自分のペースは関係なく、気合いでギアをもう一段上げていく。
というのも、サポートの朋ちゃん、応援に来てくれている薫ちゃん共に翌日は早々にシャモニーから移動してしまうこともあり、ゴールで会うためには先を急ぐ必要があった。
従って、各エイドの休憩込みで3山をまとめてで、スケジュールよりも1.5時間縮めることを目標にして進む。

眠気を飛ばすためにメイタンゴールドと持参のレッドブルをインストール。すると次第に気分悪くなる笑
明らかにカフェインの取りすぎ。
でも、眠い方が前に進めないので、多少の気分の悪さは次第に治まるのでいいかとポジティブに考え、登りながら回復を待った。とりあえず見えるランナーに追いついてパスの繰り返し。楽しいくらいに抜ける。

ラストのサポートエイドのヴァロルシーヌ(Vollorcine)で、ミニうどんを2食作ってもらい満腹状態でラスボスのテットオーヴァン(Tete aux Vents)に挑む。
しかし、夜中にでっかいテットオーバンの九十九折の上りの途中で睡魔が襲ってくる。
更にメイタンゴールを飲むか悩むが、再び胸のムカつきがでるのが怖くて飲めなかった。

すると、頭の中では海外レース中とわかっているんだけど、周りのランナーが全員日本人だと勘違いする夢を見続ける。
友人たちに山をアテンドする夢を見ながらテットオーヴァンを登るのがこのレースで一番辛かった。
エネルギーは体内にあるのに眠気でパワーが出せないとは・・・。

稜線にでれば目が覚めて、スイッチオン‼️
ここからゴールまでは持っている力でフルスロットル。特に稜線のガレはパッシングモード。日本アルプスでトレーニングしてきたのが効果あり。

しかし、思いのほかテットオーバンチェックポイントから最終エイドのフレジュール(La Flegere)まで時間がかかり、急いでも短縮できず予定タイムしか出せなかった。
エイドでは残り下るだけに必要な水を補給して、サポートの朋ちゃんにSMSに連絡して脱兎のごとく飛びだす。

前回はトボトボと下りた林道を、今回は怯まないで全力で下る。
つまづいて転けそうになること2回。気を抜いたらヘッドスライディングしそうなくらいにダッシュ。
前半から少し痛い足首と足裏にできたマメが気になったけど、後1時間で終わると自身に言い聞かせて、サーフェイスに注意して朝焼けの樹林帯を必死に駆け下りる。
さすがにここまで来ると意地悪にブロックされることもないし、みんな避けてくれる。ゼェゼェいいながら「メルシー」と呟きパスしていく。

そして、街に降りてきて・・・

まさかのロスト

実はフレジェール以降で選手に付いてペーサーしている女性が、街の手前でゴールに先回りするために曲がった道をコースと誤認識してしまい、コース外の街中を3分ほ彷徨う。
急に観客もいなくなるし、マーキングがなくなるしと困っていると「お前は間違ってるから付いてこい」とめっちゃくちゃ足の速い一般の男性に誘導してもらい、無事にコースに復帰。
ここまでで往復6分くらいロストしてる。

時計を見るとまだ、37時間台ゴールで間に合いそう。前にはなかった道路をまたぐ鉄製の陸橋を一段飛ばしで登り下り、街中のウィニングロードまでダッシュ。
ゴールゲートが見えるところまで必死で走って最後のコーナーを曲がってゴール‼️

あちゃー、朝方だから観客が超少なーい。
しかも、サポートの朋ちゃんも応援の薫ちゃんもいないし・・・。

結果はノーマルルートで37時間56分。
前回より約7時間40分縮めてのゴールでした。

昨年の信越五岳100マイルで人生初のDNFを経験してからモチベーションが下がってたけど、応援してくれる仲間、職場の方々、献身的にサポートしてくれた仲間、加えて、山に沢山行かせてもらえた家族のおかで満足に走れた。ほんと感謝。
これで、2016年に流した悔し涙のリベンジが成就できた。
ちなみにほぼ筋肉痛なし、足裏トラブル全くなしとマイルレースと思えないほどに負担がなかった。
もうこんな満足なレースはできないだろうなぁ。


参考 累計実測時間−累計想定タイム差(単位:min)
スケジュールどおりうまく走れ、シャンペ湖までで予定との乖離は1分と我ながらよく走れた

Saint-Gervais ▲9
Les Contamines Montjoie ▲1
La Balme +9
Col du Bonhomme +31
Les Chapieux ▲14
Col de la Seigne▲20
Lac Combal ▲2
Arête du Mont-Favre +11
Col Checrouit - Maison Vieille ▲6
Courmayeur Arrived ▲14
Courmayeur Restart +2
Refuge Bertone ▲27
Refuge Bonatti ▲3
Arnouvaz +3
Grand Col Ferret ▲1
La Fouly +6
Champex-Lac ▲1
Trient +5
Vallorcine ▲
La Flégère ▲30
Chamonix ▲64







過去の記事はこちら



  

Posted by わっきー at 21:15UTMB

2016年09月12日

Hydrapak Speed Cupを買ってみた



UTMBで訪れたシャモニーで見つけた自立式カップ。
実際にレースでかなりのランナーさんが使用されてました。


Hydrapak Speed Cup





長距離レースならエイドの後半では、テーブルの上にカップを置ける自立式カップがいいよとアドバイスをもらい、出国直前にUrtrAspireのC2 Cupをわざわざ調達したものの、まさかのシャモニーで出会って、衝撃の軽さにびっくりして、UltraSpire C2 Cupを一度も使うことなくあっさり買い換えてしまいました^^;


とりあえず、ものすごくコンパクトで、かなり軽量のコップ。

実際の重さはUltrAspire C2 Cupが20g




に対して、Hydrapak Speed Cupは



驚異の7g!
指を掛ける穴をカットすれば5g台になるかと思われる軽さ。





お値段も1000円以下で買えました。



国内正規発売すればこの自立式コップは欲しいですよね。


なお、某メーカーでもOEMが登場するらしいですよ。







過去の記事はこちら




  

Posted by わっきー at 21:01ギア等UTMB

2016年09月03日

2つの夢が叶った日 UTMBに参加してきた



長い旅がようやく終わりました。
今は右ヒザの痛み以上に安堵感と感謝の気持ちでいっばいです。
職場、仲間、家族に本当に感謝です。





初めて見た白いチョークのような土と乾燥した空気
いつもの樹林帯と腐葉土の香りはまったくしない場所
周りにあるのは、巨大な体に大きな羽を広げたような山容を持つ連峰
そう、ここは、第1回冬季オリンピック開催の地でも有名なモンブランの麓の高級リゾートスキー地区シャモニーなのである。


今、ボクはUTMB(旧名:Ultra Trail du Mont-Blanc ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)に出場するために遠路遥々、この地までやってきた。
いつの頃だろうか、UTMBに出たいと思うようになったのは。鏑木さんのDVDを見てからなのか、はたまた雑誌を見てからかは定かでないが、一度海外の絶景の中を走ってみたいと、いつの頃からか思うようになっていた。
出場するには国内で多くのレースを経験したうえで抽選が必要。年々必須ポイントが向上するため、なかなか資格が得ることができなかったが、2016年にようやく手にした出場権であった。


というものの、一年ほど前から左ヒザを痛めてしまい、今夏になってようやく痛みが治まったが、一年のブランクによる筋力低下、脂肪増加は否めなかった。








UTMBはシャモニーのサン・ミシェル教会からスタートし、モンブランの周りを反時計周りに170km 累積標高10,000mを46.5時間でフランス、イタリア、スイスの3カ国を渡り、再度、サン・ミシェル教会に帰ってくるレースで、トレイルランニングの中で最高峰といわれるレースである。
いわば、トレイルランニング界のオリンピックといったところか。
コースはTMB(Tour of Mont Blanc)といわれるトレッキングコースを主体に設定されており、完歩するのに通常、7日〜10日程度を費やすコースなのである。










街のシンボルであるサン・ミシェル教会の前に各国の2300人以上が集結する。
熱気ムンムンの中でスタート前にテーマ曲の Conquest of Paradiseが流れる。





映画1492でコロンブスがアメリカ大陸を発見した冒険のように、自身の挑戦を讃える壮大な曲。
流れている間、完走するぞと自分に言い聞かせる。










頭上にはヘリコプターにドローンが飛び交う。
スタート・ゴールゲートの向こうには大観衆が集まっている。UTMBのスタートを見ようとする観戦者の数は想像以上でびっくりである。
まるでツールドフランスのゴール会場のようだ。
今年はカウントなし?でいきなりスタート。
少し拍子抜けした。


トップランナーであれば駆け抜けるスタートだが、大半のランナーは大観衆の中でゆっくりとスタートする。
1km以上はALLEZ! ALLEZ!(アレ、アレ:頑張って頑張っての意)の大声援、カウベルや子供達のハイタッチの嵐。
まるで戦から凱旋してきたようかの雰囲気の中からスタートするのは国内のトレイルランニングのレースにはない気持ちのいいものであった。





先人の完走者のアドバイスにより、序盤は追い込まずにゆっくりとレースに入る。
Saint-Gervais(サンジェルベ:21km)まではヘッデンを付けずにのんびり行こうと考えていた。
最初の山であるDélevret(デルヴレ:13.8km)の山頂直下からの下りの路面は草が多くスリッピーだと聞いていた。
噂どおりにサーフェスは草で、確かに天候が悪く、濡れているとかなりスリッピーになりそうで序盤からケガリスクを孕むが、今回はドライのため問題はなかった。
今回のシューズはクッション性能の高いsalomonのSENCE PROPULSEをチョイス。
このシューズはロード向けだが、意外とグリップできるシューズで、草の上でもスリップなく通過することができた。
Saint-Gervaisのエイドまではヘッデンは未装着だったが、途中で樹林帯があり、薄暗い中を走るのが億劫な方はヘッデンを点灯しても良いと思う。
最初の大きなエイドであるSaint-Gervaisに到着すると既にゴールかと思うほどに盛り上がっていた。
ほんとここでレースを止めてもいいくらいw
ボクは補給食をそれほど持ったない主義なので、各エイドで給食をたくさん頂くこととしていた。
Saint-Gervaisでもオレンジにバナナ、噂の塩辛いスープ(意外に美味い)をお腹いっぱい頂き、先を急ぐ。

なお、UTMBはCourmayeur(クールマイヨール:78.8km)までの関門が非常に厳しい。特にLes Contamines(コンタミン:30.7km)までは相応に急ぐ必要がある。
故に序盤でゆっくりは禁物である。


Les Contaminesは最初に仲間のサポートを受けられるエリアであるが、この時点のサポートはないので補給のみで通過。
最初に辛く感じたNotre Dame de la Gorge(ノートルダム・デュ・ラ・ゴルジュ:34.6km)からの登り。
ここは石を敷き詰めたようなサーフェイスで少し趣が異なる。調べてみると古代ローマへの道だそうだ。
ここから本格的に登り体制になる。
La Balme(バルム:38.8km)エイドに近づくと、Col du Bonhomme(ボンノム峠:42.2km)の稜線ギリギリに位置する低い三日月に約1000個のヘッデンが月を突き抜けているように並んで見えた。
長い登り、進んでも進んでも目標の峠が見えない(;´Д`A


巻いて巻きまくるTMBのコースは有名で、さらに山が奥深いため、下からはチェックポイント等の位置が把握できない。
晴天だと日中は暑いのに、夜は放射冷却で寒い。元気な外国勢は半袖やノースリーブで夜間を走破する強者もいるが、我々ではやはりジャケットが必要。加えて、稜線上となるBalmeエイド以降では風がでてくるため、体温の低下を防止するため、多少暑いがレインウェアの上着とグローブをこの時に装着した。


意外長く感じるCol du BonhommeとRefuge de la Croix Bonhomme(ボンノム避難小屋:44.2km)。
渋滞までは行かないが、結構の数のパックの中から抜け出せないので、ややストレスが溜まった。
ようやくLes Chapieux(シャピュー:49.4km)に到着。ここで装備チェックを受ける。エイドで補給している間に身体がものすごく冷えたため、ユンケル皇帝液顆粒を飲んでカフェインのインストールと保温に努めた。
次は前半のメインであるCol de la Seigne(セイニュー峠:59.7km)に向かう。
真っ暗で周辺の景色は景色はわからないが、ゆっくり粘ってCol de la Seigneに到着。
さぁ、イタリアに入ったぞ。







Col de la Seigneを下り始めると目の前に三角形の綺麗な山容が見える。
一旦200m程降せられ、目の前のCol des Pyramides Calcaires(ピラミッドカルケーラ峠:62.1km)へV字に進む。
ピラミッドカルケーラの山はガレた岩でできているようで急に足場が悪くなる。
加えて、残雪があり雪渓を2度渡った。ボクはロードシューズのため、ここは慎重に進む。
ここで少し疲れが出たので補給ついでに立ち止まった。
Col des Pyramides Calcairesを超えると朝を迎え、雲海と御来光のご褒美が貰えた。
これはラッキーでみんな立ち止まって写真を撮っていた。









Col des Pyramides CalcairesからLac Combal(コンバル湖:65.8km)まではガレたシングルトラックの好きでない下り。斜度はそれほどでもないが浮石もあり注意しながら下った。
山を降りると雲海の下にあったのは、DVDを見て憧れていた湿地帯のLac Combal。
丁度、早朝ということもあり、ヘリコプターが頭上を旋回しており、きっと撮影していたんだろう。
ヘリに手を振りながらフラットの林道をひたすら走る。
とりあえず、Lac Combalエイドは雪解け水が流れ込んでくるのか非常に寒かった。
Col des Pyramides Calcairesからの下りではレインの上を脱いだが、Lac Combalエイドで冷えたので、我慢せず太陽が完全にあがるまでレインを再度着ることにした。

Lac CombalからAréte du Mont-Favre(ファーブル山尾根:70.1km)までの取り付きは超が付くほどのフラット。
上から見ると綺麗なんだろうけど、走っているだけでは周りは単なる湿地帯でつまらない。
憧れていたビューポイントだけにすこし残念だった。
しかも高度は低いものの、朝方の低温のため、震えながら走った。

徹夜明けの眠気からかボーとしながらジョグしていると、不覚にも大ゴケしてしまいド・フラットな林道にヘッドスライディングし、右ヒザを岩に強打してしまう。
恐らくLac Combalへの下りで相応の体力の消耗もあり、つまづいた瞬間を耐えきれずに転けたんだと思う。ヒザからの出血があったものの、幸いなことにここでは痛みはなかった。

Aréte du Mont-Favreに上がると次第に体温が上昇してきた。頭上は晴天、雲もない。2日目もまた暑くなるだろう。
Aréte du Mont-Favreチェックポイント付近で、写真を撮ってくれる日本の女性の方がいた。毎年おられる方だと思う。横に見えるのがモンテビアンコ(モンブランのイタリア読み)だと聞いてなるほどと納得した。
モンテビアンコが過ぎれば、あとはオール下りでCourmayeur(クールマイヨール:78.8km)だ。
しかし、ここの下りもイヤーな感じ。シングルトラックでチョークのようなフワフワの砂。接地を感じにくく下肢に負担がかかる。ここもパックに、はまり好きなタイミングで下れなかった。

Courmayeurに到着した時はすでに日があがり暑かった。ここではTDS完走した後の、にのりさんのサポートを受ける。あまりにも居心地よくて1時間滞在してしまうが、外気温が高いので、身体の冷却を含めてこの時間はOKだったかと。
ここまで想定どおりの時間で来れたので、ここからは、一段だけギアアップして後半に繋げるつもりだった。
シューズはmontrailのBAJADAに履き替える。結果は選択ミスで後半の方がロードシューズに適していた。ここでソックスと上着も交換した。

Courmayeurから登りは、斜度が最もきつく感じるRefuge Bertone(ベルトーネ小屋:83.7km)への登り。ここはUTMBの中でも貴重な樹林帯の中であり、日差しによる疲労は感じない。
登り終え、Refuge Bertoneを過ぎると、目の前には超ド級の戦艦か、トゲトゲの背を持つクジラとでもいうかものすごい山脈が目の前を塞ぐ。これが、憧れのグランドジョラスかと感動。



肉眼で見たグランドジョラスはかっこよかった。







この北壁を登った長谷川恒男さんはどんな奴なんだとツッコミたくなるほどの大きさだった。
しかし、ここに来てLac Combalで転倒した右ヒザの痛みが発生してきた。
Refuge BertoneからRefuge Bonatti(ボナッテイ小屋:91.0km)、Arnouvaz(アルヌーバ:96.2km)まではずっとグランドジョラスの絶景と並走する貴重なフラット及び下り区間。ここである程度タイムを稼ごうと思っていたのに、まさか走れなくなる事態になる。特に下りは少しの斜度でもまったくダメ。

自身の体調を含め、残り約90kmをどうするか考えた。
まずはRefuge BonattiからArnouvazまでの下りの対処方法。
エマージェンシー用にロキソニンを2錠持っていたので、1錠をここで服用することにした。
加えて、必携品のバンテージでヒザをグルグル巻きに固定した。しかし、ヒザの痛さはさほと変わらなかった。
Arnouvazの下りをトボトボと苦虫を潰した顔で進んだ。これからの後半はキツく長いパートが多いので、先に進むかリタイアするかの苦渋の選択となった。
Courmayeurから後半パートは比較的関門が緩くなることと、飛ばさなかったが前半の貯金がある程度残っていること、歩いているので体力は残っていること。
自身でかなりの葛藤はあったけど、関門で落とされるのは仕方がないが、自らUTMBを拒否することはしたくなかったので、前者を選択した。
もう諦めずに進むだけだ。

満身創痍で到着したArnouvaz。エイドの救護室に駆け込み、拙い英語で処置してもらう。
痛み止めの薬も欲しいと懇願し一回分だけをもらった。ここからゴールまで白いぐるぐる巻きのテーピングとともに旅をしなくてはならないと心に決めた。
痛み止めはこの先で使おうとこの時は飲まずにそっとエマージェンシーの袋に入れた。


Refuge BertoneからArnouvasまで3時間ずっと太陽に当たりっぱなしだか、スピードがでていないため体温の上昇は避けれ疲労感はなかった。
しかし、次の大ボスのGrand col Ferret(グランコルフェレ:100.7km)は大きな登りと下りがあるところ。
幸い痛めた右ヒザは登りで痛みが出ないので、西日で背中がジリジリと熱い中、ガツガツ登ることができた。
日焼けによる体力消耗を避けるため、BuffをSAHARIANEという方法で首筋の面積を最大限に隠した。



DO RAGよりも白の面積が増やせ、首に密着し、下部まで被うことができる。







思ったより意外にGrand col Ferretは簡単に登れたが、まったくもって下りは痛く進めない。ちょっとした下りもダメ。カニ歩きなら何とかといった状態で進むことに。






Grand col FerretからArunouvaz方面に振り返った画(中央の谷がArunouvaz)





ここでArnouvazでもらった飲み薬を服用した。あとロキソニンが一つだけだ。
Grand col Ferretから先はスイスに入国だ!
しかし、登りで何人も抜いたのに、下りで何十人、いや、百数十人には抜かれただろう。
かなり自分にイラっときていた。


唯一の救いだったのが、La Fouly(フリー:110.1km)エイドで、にのりさんが待っていくれることだけだった。
痛みがとれなくても、軽減できるアドバイスを貰えることを期待をして、半べそをかきながら無我夢中でLa Foulyに向った。
Grand col Ferretから這々の態でLa Foulyに到着し、にのりさんの手厚いマッサージを受ける。
ほんとドロドロの脚に対し必死に処置してくれる姿に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
根本的に痛みはとれないけど、ここで前に行く気持ちを更にもらう。
次のChampex-Lac(シャンペ湖:124.1km)までは意外遠い。長い登りに加えて日が暮れて雷雨になりだしたこともあり、先の見えない状態で心が折れそうになる。今回、一番辛かったのはなぜかLa FoulyからChampex-Lacの区間だった。
激走モンブラン2009年で鏑木さんがスコットジュレックを追い越す名シーンのポイントも走れない激痛で感動すらできなかった^^;


La Foulyに続いて、Champex-Lacでも手厚いマッサージを受けた。
ここからゴールまでのラスボスの3つ山に費やす時間は15時間と想定していたが、自身の状況を冷静に鑑みると貯金をすでに食いつぶしていることはすぐにわかった。
最初の山に取り付くが長い巻道で精神的にやられる。時間がない。残りの2つの山にどれほどの時間がかかるのかわからないため焦る。
結局、まったく下れない脚で、Champex-LacからTrient(トリアン140.6km)までに5時間もかかってしまう。

これでは時間的に完走が危ないかもとよぎる。ラスボスのTête aux Vents(テットオーバン:158.6km)からゴールまでは長い下りで、その分の余力を手前のTrient〜Vallorcine(バロルシーヌ:150.9km)の2つ目の山で獲得する必要ある。とりあえず、にのりさんの処置を止めて、Trientでは補給は何もせずに飛び出すが、なぜか携帯電話をエイドに忘れる失態を犯してしまう。エイドまで取りに帰って20分のロスを費やす(;´Д`A

2つ目の山は思いのほか小さくCatogne(カトーニュ)までを簡単にクリアできるが、下りは相変わらずダメ。
ほんとボロボロでラスボスのTête aux Ventsの手前のVallorcineに到着。
普通なら関門に追われる時間でもないが、現況を冷静に分析すると下りに数時間かかる可能性があるため、エイド食を食べるだけ食べて脱兎のごとくエイドを飛び出す。

Vollorcineを出ると大きなマフィンに生クリームを上に乗せたような独特の山容を持つ山が立ちふさがる。
標高図をみるとCol des Montets(モンテ峠:154.6km)からさらに斜度が上がって登ることになっている。
即ち上まで登るということか。(実際は中腹をトラバースしたが山容と標高図を見ると心が折れた)
Tête aux Ventsの下部にあたるCol des Montetsは2009年激走モンブランでキリアンがガレ場の長い下りを猛スピードで突っ込んでくる撮影場所だろう。
どうやら、この峠は観光地のようで様々の登山客に混じり、選手は九十九折を登山道を登る。

パックの先頭になって引っ張る。
というかこのタイムゾーンなのでケガをしているといっても走力差で引っ張らざるをを得ない。
なんといってもボクには下る時間が他の選手より時間がかかるんだと。
登り終えると山をぐるっと巻き道に入る。
この道は北アルプス等によくある大きな石がゴロゴロとあるが比較的走りやすい。
しかし、下りという下りはまったくダメ。フラット区間をゆっくりジョグするのが精一杯。美しい景色なのに目の前は絶望しかみえない。
ここでありったけのジェルとグミを投入して、最後の頼みの綱のロキソニン一錠を投入した。

Col des Montetsからずっと日差しに当たりっぱなしで、水切れが心配になる頃にTête aux Ventsのチェックポイントを通過でき、ペットボトルの水を補給してもらう。
あの水はどうやって運んだのか不思議。ここまでヘリで運搬したのかなぁとどうでもいいことが心配になる。
そこから最終エイドのLa Flégère(フレジェール:162.2km)までが遠かった。
大した距離でもないが走れないボクにとっては時間だけが過ぎるストレスが溜まる区間だった。
ようやくスキー場のリフト乗り場のLa Flégèreに到着する。
最後のひと登りをすると、あと7kmのダウンヒルだといわれるが、林道のように巻いていく脚が残っていれば走りやすい下り。
今の自分には一番恐ろしいタイプの道で、一歩が痛いなら、鎖場や階段で下降する方が痛い回数は少なく、林道で巻かれると距離が長い分痛い回数が増加する。
自暴自棄になりながらトボトボと時間を気にしながら下山する。
エイドの出発の時に、ゴールで待っている仲間などに連絡をした。


ようやく見慣れた街に帰ってきた。
La Flégèreから下りてくるだけで手元のAmbitで6km、2.5時間もかかった。情けない。
ゴール手前1kmはものすごい観客の中を通過する。
時間的には決して自慢できるタイムでないのに、ブラボー!ブラボー!とフィニッシャーのボクらに対しての声援がすごかった。
トップ選手でも下位の選手でも賞賛をしてくれた。

ゴール手前の噴水を曲がる時に大勢のラン仲間が待っててくれた。
大声援の中、既にずいぶん前にゴールしているKaoriちゃんと並走して、ゴールゲートに向かった。








沿道の方々の声援に、メルシー!メルシー!と応えるとなぜか大粒の涙がこぼれた。
感謝の気持ちで胸がいっぱいだった。
そして、ボクの2016年の長く辛い夢の旅はここで終わった。


激痛モンブラン 了







同じ日にもう1つ夢が叶った。
ラン仲間である丹羽薫がUTMBという特別な舞台で8位で入賞したのである。
まだ、無名であった頃からの仲間として、たくさんの努力を端で見ていて、いつかこの人が世界を相手に戦えるときがきて欲しいと願っていたのが、この時に現実となった。
表彰台でひときわ小柄なこの女性が、並み居る強敵と対等に戦って、成績を残せたのだと思うと感慨深く、そしてホッとした何かを感じた。
"KAORI NIWA"と名前を呼ばれ表彰台に上がるとき、ボクらは周りの外人達よりも、ひと一倍大きな拍手を送った。



丹羽薫(左から2番目)









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Posted by わっきー at 21:01UTMB

2016年08月15日

SUUNTO APPでジェル補給用タイマーを作ってみた。



UTMBで補給用にタイマーを持つ仲間が多いのですが、そういえばAMBITがあれば、作れるじゃんとふと数ヶ月前に気がついたんです。
色々試行錯誤しながら作ったけど、結局は、最初に作ったタイマーが一番使いやすかったので、ここで公開します。
ボクは前回のUTMB用の残距離アプリと併用しようと思います。


下の表示部分が今回のSUUNTO APP(アプリ)


本アプリはジェルなどの補給タイミングを決めてられている方のタイマーです。
SUPPLYMINという値を指定の「分」にしてください。デフォルトは45分としています。
表示は小数点第一位まで。
(例:45分になると1.0を表示します。なお、60分経過すると1.3、90分なら2.0と表示します)
補給を完了すれば、手動ラップ(左上ボタンを押下)すると0から再度カウントします。

途中でアラームも付けていたんですがプログラム知識が乏しく、動作安定させることができなかったので、今回は補給ジェル数の表示のみです。
なお、スントのヘルプデスクに問い合わせても一か月以上回答がないので、しびれを切らして今回はアラームなしでリリースします。

Gel Supply Timerはこちらです。








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Posted by わっきー at 23:29UTMB

2016年08月08日

UTMB用のSUUNTO APP(スント アプリ)を作ってみた



UTMB 2016用のスントのアプリを作ってみた。


UTMB 2016 DISTANCE COUNTER

DLはこちらから

SUUNTOユーザだけですが、UTMBの各エイド(関門時間が設定してあるエイドのみ)までの残距離が表示できるアプリを作成しました。


表示されるのは以下の関門が設置されている地点です。
SaintGervais
Les Contamines
La Balme
Les Chppieux
Lac Combal
Courmayeur
Arnouvaz
La Fouly
Champex-Lac
Plan de IAu
Trient
Vallocine
Col des Montets
La Flegere
Chamonix


注意点
Appの制限により、先頭4文字しかエイド名が表示できません。
また、視認性をよくするため、エイド名は大文字で表記してます。


距離はスタートからの総距離から計算してます。ラップ距離でもいいんですが、ラップ忘れをすると、途中で訳がわからなくなるので、総距離にしてます。
そのため、途中で距離のズレが発生すると最後までズレます。そこは頭の中で割戻しながら使用していただければと思いますw










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Posted by わっきー at 21:21UTMB

2016年08月02日

ANSWER4 FOCUS Ghostを手に入れてみた。



良かったUTMBに間に合った。


ANSWER4 FOCUS Ghost

表はX-PACでなくてキューベンを施し、不要なポケット類を排して、軽さを究極的に求めたFOCUS Ultra改のザック。
キューベンなので中に何が入ってるか見えるスケルトンモデル。

オプションの背面ポケットとストック用ループがなくなって収納力がなくなっちゃったけど、何とか適当にセレクトしたUTMB装備は収納できました。
装備が多いともいえるITJでsalomon S-LAB ADVANCED SKIN HYDRO 5単体で余裕だったので、FOCUS Ghostのオプションがなくてもsalomon AGILE BELT 500 SETと併用すれば行けるだろうと目論んでます。
まぁ、ダメならsalomonでw
天候大荒れなら、装備も多くしなきゃなので、salomon S-LAB ADVANCED SKIN HYDRO 12をセレクトする予定。

しかし、FOCUS Ghostの腰上のサイドポケットって、手が届かないんですが…
ボクの身体が固いんすかねぇ^^;

とりあえず、肩甲骨の間にすっぽり収まるこのザック。走るとわかるのですが、見た目の奇抜さより、かなりできる子ですよ^ ^









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Posted by わっきー at 21:01UTMB

2016年07月20日

ウルトラ穂高に惨敗した



今更だけど、ようやく身体が動けるようになった7月の3連休。
京都祇園祭りが土日に重なっている今年に後ろ髪を引かれたが、UTMB対策として標高が高く、ヨーロッパの山並に1つの上り下りが長い場所でトレーニングしてみたかった。
しかし、どこも天候がイマイチ。
南アルプスの仙丈ヶ岳の地蔵尾根のピストンにするか。はたまた、今なら、天然記念物のオオヤマレンゲが開花している地元の大峰山系八経ヶ岳周辺をラウンドするか。
色々と悩んだ末、予報が好天に変わった北アを選択した。
場所は、昔、スカイハイのタクさんが行った穂高連峰をぐるりと巡るウルトラ穂高(アラウンド穂高ともいう場合あり)にした。
高松から寝ないで帰省、荷物はビバークギア一式に適当な食材やウェアを詰め込んで、車であかんだな駐車場へ向かう。
で、朝一番のバスに乗って、朝5時半に上高地をスタートした。



小雨が止んだ梓川は幻想的で美しかった。





ウルトラ穂高のルートは上高地〜焼岳〜(クリア谷経由)〜笠ヶ岳〜双六小屋〜(西鎌尾根)〜槍ヶ岳〜上高地。
体力が残っていれば東鎌尾根経由で大天井岳〜常念岳〜蝶ヶ岳を追加しようかな、という百名山を寝ないで3峰ないしは4峰をゆっくりじっくり攻めてみるプランを単独行で決行した。
時間的には比較的緩い北アのCTタイムの50%〜60%を考えた。


焼岳は新穂高温泉側よりも上高地からだと登りが少ない。
しかも、ハシゴで高度をアップさせることができるのでかなり楽ちん。



でも、落ちたら終わりですw




焼岳は今も火山活動をおこなっている山。いつも噴煙があがっているが、今日はガスで見えず、残念。



初めて訪れた焼岳だけど、今回の目的はピークハントでないので山頂に寄らず中尾峠から新穂高温泉側にドロップ。




下山途中に正面で笠ヶ岳の頂がくっきりと見えた。
見えている山は、一度、街に下りて再度登り返す山。雲の中の左側の稜線を登り続けるのは壮大な旅であり、ワクワクとする。






焼岳の下山途中にヒカリゴケを発見。
写真ではわかりづらいけど、影になっている奥にうっすら光る苔群があった。







山奥にある白水ノ滝もくっきりと見れた。







焼岳の下山途中から新穂高温泉下部の中尾高原までずっと硫黄の香り。山の中が硫黄の香りがするのは不思議だった。



言わずもがな飛騨おもちゃ博物館で補給。
ここまでCTの50%で到達。





今回のメインである笠ヶ岳のクリア谷の登山道入り口。
登山口からピークまでのCTは9時間30分。2年前にトレランスタイルで比較的余裕で4時間半だったので、今回は荷物をかなりの背負っていることから5時間で設定(CT比52%)







しかし、ここで翻弄された。
まず、自身の体重増加に加え、荷物が重たかったこと。
2年前と異なり笹が濃く足場が超悪く、薄い藪漕ぎを登りでやらざるを得なかったこと。
加えて、前日からまったく睡眠を取らずに登っていること。
腰より高いステップになるとゼーゼーと呼吸が荒くなり、適当に食料を詰め込んだOGAWANDのショルダーが肩に食い込む。


満身創痍で笠ヶ岳に予定タイムの30分遅れの14時半頃に到着。
山頂はガスで眺望はまたもや不良。

さて、ここからどうするか。
双六小屋までは予定より若干遅れても明るいうちに到着は可能だが、以降の西鎌尾根での天候は下降気味で、夜間は雨予報となっている。夜の稜線で雷に遭遇する可能性も否めないし、体力消耗度から鑑みても、最悪の条件が重なると心が折れそうなので、潔く抜戸岳から新穂高温泉に下山することにした。


笠ヶ岳山荘で新穂高温泉からあかんだな駐車場までのバスを確認した。
まだ時間的に余裕があるのでゆっくり下る。北ア独特のスリッピーな岩が連続するが怪我をしないように慎重に降りる。
しかし、時間を勘違いして、最終バスが出発した5分後に下山してしまう(涙)
祈るように新穂高温泉からタクシー会社に電話すると、1時間待つ必要があること、料金が1万円かかると言われ、ショックを受ける。
結局、あかんだな駐車場までの距離19kmを真っ暗闇の登りのロードを走ることを選択し、何とかゴール。調子が悪くて下山したのに…とかなり後味悪し。

またリベンジしようと決めた。


-----ワキメモ-----
笠ヶ岳登山口からの標高差は2,106m
沿面距離7.3km

クールマイヨールからグランコルフェレ
標高差1,330m
沿面距離21.9km

アルヌーバからグランコルフェレ
標高差739m
沿面距離4.5km









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Posted by わっきー at 21:01-笠ヶ岳UTMB

2016年07月11日

ホタルを見にナイトトレイルをしてきた。




(イメージ)

百名山である伊吹山は梅雨の時期になるとホタルが乱舞することは知っていた。
以前に本当かどうか確認したく、山頂の小屋番さんに乱舞の写真も見せてもらったこともある。


今夏のUTMB対策のため、単独峰による直登コースを早歩きで行動してみたかったし、ケガから約9ヶ月のレストで久しぶりのナイトで装備を確認したかったので、今回はホタル観賞もできるこの山域を選択した。

川のない伊吹山の山頂でホタルが飛ぶのは些か不思議であるが、日本のホタルは54種のうち、水生は3種、51種は陸生と大半は川辺でないところに生息しているんだそうな。
しかも、ここに生息するのは地域によっては既に絶滅危惧種にも指定されているヒメボタルだ。


今回は、雨上がりを狙って、仲間と登山口から約1200mを直登する。
直前までの降雨でサーフェイスは泥濘で超スリッピー、しかも風も強く視界も悪い。
8〜9号目でヘッデンを消してみた。
あっという間に闇がボクらを取り巻く。
すると周りがほんの少し、ほんわりと灯りだす。目が次第に暗闇に慣れてくるくらいに待つとあっちこちで小さな光が点滅しだす。
風が強いのか飛ぶものはいないのだが、草むらの中でヒメボタル自身の灯りがあちらこちらに確認できた。
みんなで、登山しながら、あっちも!こっちも!とワーワーと言いながらのホタル観賞はちょっと新鮮でした。

山頂はかなりの強風で悪天候であったけど、無風の日を選べば本当にここで乱舞に会えるかも。
下りは一気に駆け下りてあっという間の山行。
大きな山を登って大きな痛みも出なかったホッとした一日でした。

次は練習がてらにオオヤマレンゲを見に八経ヶ岳に行かなきゃ。







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Posted by わっきー at 21:08UTMB

2016年06月20日

Runblur RS-98(ストック)を入手してみた。



ストック探しのファイナルアンサーは自作ストックを昔から作成しているランブラー氏のRS-98になると思います。
同氏に制作を依頼して、はや数ヶ月。
ようやく到着したのが先週でした。


今までのストックは、名作カンプのXENON4をメインに使用していましたが、かなりガタがきてしたし、当時軽量だったとしても、やはり重量が125g(1本)なことも気になってました。
検討するにあたって色々なストックを探してみたもののイマイチしっくり来るものがありませんでした。
ブラックダイアモンドの現在の最軽量であるディスタンスカーボンZは142.5g(1本)と重たいので性能的にも、見た目的にも当初から候補外。
ストックシェルター用のポールをストック化(100g以下)したのを持っているものの、ファストパッキングでなく、トレイルランのレースになると些か110cmの長さが自身の身長に合わずに使いづらかったのです。
XENON4に近く、コストパフォーマンスが良いヘリテイジのUL TRAIL POLEもありかとおもったのですが、やはり納得できず。









RS-98は三節でできたカーボンポールでかなり軽量。
カンプのXENON4は四節のため、仕舞寸法はコンパクトになるんだけど、四節の仕舞形状がW型となるため、ストックをザックの胸に装着すると、グリップとストックの先端が上側にきてしまう。
となると、ソフトスラスクを胸からから給水する際にストックの先端に対し、ストレスがかかってしまう。
即ち、三節だとグリップと先端は上下逆となるため、同ストレスはかからない。そういう理由で、以前から三節で、かつ自分の身長に合致する軽量なストックを探していたのです。
なお、テントのポールもそうなんですが節の基本は奇数。
これは一番力がかかる中央部分に節が来ないようにしているのです。
よって強度的な意味からも奇数節を求めていたのです。
なお、Trail Blazeはある程度の条件を満たしましたが、重量が100g超であることに加えて、グリップがメッシュのため、経験上、悪天候時にグリップ自体が保水してしまい手先が冷えてしまうことから除外。





仲間がRS-98を持っているので、以前にじっくり見せてもらったことがあり、既に研究済み。
最終的には、GUIDETTIの1本継か、同じランブラーさんがリリースしている1本継のWitchか悩んだ末、初海外レースでただでさえも不安なのに、荷物と別にストックを預ける不安もあったので、素直にRS-98を選択しました。




気になるRS-98の重量は86g(105cm)とXENONの30%以上を軽減可能。





ちなみにストックシェルター用に別注で延長用スリーブも作ってもらいました。
スリーブを抜きやすいようにガイラインまで付けていただき感謝。




バスケットは更に軽量できるようにブラックダイアモンドの小型バスケットを装着してみました。
最終的には3/4を切り取って、GUIDETTIのクオーターバスケット風にしてみようと思ってます。










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Posted by わっきー at 21:01UTMB

2016年01月21日

UTMB 2016に当選した。




年々、参加資格基準が高くなるUTMB。
憧れというか、一度は走ってみたい山々。







ようやくチャレンジ2年目で無事ゲットできました。
先日、エントリーフィーの支払いも無事完了。

休暇のこと、費用のことを考えると恐らく最初で最期の海外レース。
この夏は、170km、累積標高差10,000mの長旅に多くの仲間と行くことができそうです。







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Posted by わっきー at 07:37UTMB