2015年11月17日
OMM JAPAN 2015に行ってきた

本当に笹に翻弄されたOMM JAPAN 2015だった。
目の前に塞がるのは身長より高い笹藪で、藪の終端がどのあたりかわからないため物怖じする。
しかも、急登。もちろん足元は泥濘(でいねい)。
強い笹藪に文句を言いながらかき分けていると外人ペアと一緒となる。
まるで獣のような突破力で笹を突き抜けていく彼らを見て、自身のオリエンテーリングというかOMMの取り組み方が少し変わった瞬間だった。
そう、信じるのは自身の読図力とコンパスのみ。
目的地が決まれば猪突猛進あるのみなのである。
昨年も色んな方からOMMに誘ってもらったけど、フルマラソンの翌週で迷惑をかけれないので、お断りした経緯があった。
なので、OMMは、今年は是非とも出場したかったレースの一つ。
今回のカテゴリーはスコアショート。
スコアというのは好きなポイント(コントロール)を制限時間内に多く見つけるロゲイニング方式。
ストレートといわれるカテゴリーは決められたコントロールを取得していくスピード重視のオリエンテーリング方式で、走力がかなり必要なのです。
行動中の泥濘は想定内。
問題は降雨と気温の転がり具合。
猫の目のようにころころと変化する天気予報から最終的に寒くないと判断したボクは装備を直前に変更した。
幸か不幸か、OMM日和で、雨がスタートから降り続く。2日目終盤に晴れる直前予報がやはり当たってしまい、レースの大半は雨と泥と雪と笹まみれ。
当然ながら、1日目終了後にお風呂にも入れない。
それでも、濡れた身体ではテント内で耐えれないと判断し、着替えのウェアを重視したため、ザック重量が増加したのはやむを得ない、と自己納得をした。

スタート時の気温は3度だった
1日目のスタート直後のサーフェイスは薄氷、視界は濃霧。機動力を生かすため、氷を踏みしめながら直登していくと次第に雪へと変わる。
標高2000m付近の稜線はすべて雪だったんだろうとストレート、スコアのロングの選手は序盤から脚を使わされるんだろうなと、専ら他人事の客観視。
我々は視界の効かない濃霧に早々と別れを告げて標高を下げる方針をとる。
小雨の中、背中の約6kgの荷物を激しく左右に揺らせながら泥濘の中を30分間激下った。
ここまで、すべて順調であったが、コンパス直進に躊躇したのが敗因で、次コントロールが取れずに損切り。その次を取るまでに70分を費やしてしまう、ショートでは大きな失態を犯してしまう。
また、翌コントロールも巨大な笹藪に阻まれ直登できずに損切りすることとなってしまった。
ラストのロードの急登に時間がかかることを十分理解して高得点のボトムエリアまで激走して幾つか取得するが残時間を冷静に分析し、断腸の思いで高得点エリアを後にする。
1日目フィニッシュ地点までの九十九折りのロードに取り付き、ダラダラと徒歩で登る選手達を横目にパワーハイクでスタスタと登りきり、フィニッシュエリアのコントロールを時間のある限り走って取得してようやく1日目を終えた。
この日の走行距離は約25km。損切りしたコントロールは二つ。
無駄に走ってしまい体力を損耗させてしまった1日目だった。
フィニッシュエリアに到着すると直ぐにテン場を確保し設営を行う必要がある。
我々の装備は軽量化主体のため、幕はfinetrackのツエルトIIロング。
幸いグランドシートが二人分があるので、ボトムを解放し、少しでも幕を大きく設営した。
カテゴリー的に時間は腐るほどあるため、今回、火器類は軽量の自作のアルコールバーナー8gでゆっくりと沸かす。
今回は二人分の必要燃料に、高地と低温の損失分を加算しアルコールは100mlを持参。なお、バックアップとして50mlを別持参。
結果、計算どおりの100mlジャストの使用に納得。
しかし、トルネードしたバーナーから吐き出される炎はクッカーを除けるとツエルトに届きそうで危なかった。高出力すぎるバーナーは取り扱いがほんと危険w。
お酒はOMM本国に敬意を払ってウィスキーを120mlのみ持参。ウィスキーはそのままでも飲めるし、お湯割もできるし、度数も高いし、香りもいいのでオススメ。

しかし、1日目の15時にフィニッシュし、ずっと雨が降り続くと、狭小テント(テントでないと揶揄されること多し)ではすることがない。できることは当日の反省会のみ。

冷静にマップを見るとわかるのにと反省。復習はほんと大事。
1日目のコントロールセレクトは決して間違いでないが、経験値が低いためアクセスの仕方が曖昧で、効率よく取得できていない。
2日目はアプローチ方法、マップ製作者の意図がわかるようにならなきゃと反省しかり。
しかし、どんなにじっくりと反省しても19時にはすることがなくなる。
本来なら沢山の知り合いのお宅訪問したいところだけど、雨が酷いため、フテ寝することに。
翌朝は8:10スタートなので、ここから、長い長い夜が、狭い狭いテントの中で続く。
ボトムオープンに拡張した幕は、バディがグランドシートの予備を持ってきてくれたため、可能にできたスタイル。持参のタイベックシートとそのグランドシートで幾分か地面から滲み出る濡れを抑えてくれたけど、朝まで連続する降雨のため、シームしたツエルトでも浸透圧と結露で上から水はボトボトのドボドボ。
今回のマットはKLYMIT INERTIA X-LITEにブースターとしてわきマット(EVA 3mm 40cmx50cmの100均マット)を上半身用とし、足元は今回担いだOGAWAND Acperienceの背面パッドのみのため、地面からの冷気を遮断用にレースウェアをジップロックに入れて背面に敷き詰めた。
シュラフはRabのQuantum Top Bag ARという背抜きのダウンだけど、このシュラフは濡れる足元だけプリマロフトというハイブリッドな神寝袋である。
背抜きなのでマットはシュラフにイン。
これにSOL ESCAPE Bivvyを重ねると背中も幾分は冷気を遮断でき、ぐっすりと就寝できた。
しかし、目を覚ましたボクは驚嘆した。
自身の背面は水浸し。というか、完全に水没したまま寝ていて、ESCAPE Bivvyはずぶ濡れw
ほんとSOL ESCAPE Bivvyって凄い防水性能だと感心。
今回、ラッキーだったのは気温が低くなく、テント内で約10度前後だったこと。これで低温だとすると・・・。
ほんと来年が楽しみです(^^;)

となりの男女混合の選手に、「こんなテントで2人で寝られるんですか!是非とも写真を撮らしてください」と言われたw
昨晩は、降り続く雨でテントから出ることができず、1日目の成績が翌朝まで見れなかった。
朝に結果を確認し、同じカテゴリーの上位陣の高得点の取り方を勉強、そして反省を二人で行った。
2日目は最終組のしかも後方から攻める。
昨日の反省から効率よく回ることに専念する。
当然、ロードは走るし、ショートカットを意識し、漕ぐところは積極的に藪に突っ込んでいく。
前日の失敗から得たコンパス直進でコントロールを見つけることができ、狙ったコントロールはノーミスゲット。
前日の失態から何とかリカバリーできた2日目。
総合でも納得いく結果でした。
OMMは敢えて過酷な時期を選んで開催されます。
テン泊装備も色々と必要だし、根性、体力だけではクリアできないのが面白い。
今回は、身体が故障中だったので、ジョグしかできなかったけど、走力、読図力と強い藪に突っ込む勇気が伴えば、かなり面白い結果になるのかも。
走力がなければ軽量化。軽量化のギアがなければ工夫する、それかなり大事かなぁ。
トレランでもない、オリエンテーリングでもない。唯一無二な大会なOMM。
こういうのがもっと増えれば楽しいのになぁ。
また、来年もでてみたい。
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